本当に今の円高水準は適正なのか

ドル円は80円割れ間近と迫っていますが(2010年9月現在)、歴史的な最安値79.75円をつけた1995年と比べて、今の円高進行のインパクトはどれくらいなのでしょうか。
先の9月15日に日本政府が単独介入したことで80円割れはひとまず免れましたが、その効果も期待通りとは行かずに、円相場は再び円高に向かいつつあります。

今の相場は1995年と比較するとおかしいという見方があれば世界各国との協調介入で円高を是正することになりますが、1995年の米ドル/円79円75銭は当時の購買力平価から分析してみても、実質実効為替レートからも誰が見ても行き過ぎという根拠がありました。ですからその後は円高に向かうことはありませんでした。1985年のプラザ合意の時も円安が行き過ぎていたからこそ、ドル円レートを下落させることで各国一致したのです。今回、円高が進行しているにもかかわらず協調介入が行われない理由は、現在の相場は特に異常なことは一つもないという認識があるためです。1985年・1995年当時の相場と、現在の異常性の度合いが全く違うと言うことです。

中期的な相場トレンドは円高か

日本国内ではこの円高によって輸出企業の収入が減り日本経済に大打撃を与えるとの見方が増えています。輸出企業は円高になることで手取りが減少し、ドルの価格を上昇させようとしても競争上できないことはあると思います。

しかしながら、貿易統計の輸出を見れば円建ての輸出金額は減少しておらず、数量はむしろ増加しているので、日本経済全体としては輸出企業と立場は全く違うということがわかります。

このデフレを買えなければ中期的な流れは円高だというふうに考えている人も多く、そのトレンドが継続するのであれば介入で円安にしようとしても無理な話です。2000年代はじめの介入でも相場の流れは変えることはできませんでしたよね。
これから先進国や製造業の立地競争力が確実に失われ、存在感も緩やかに薄まっていくことでしょう。ソフト面での技術革新やそれをベースにした工業製品や産業を拡大していくことが重要になってきます。